大事なもの
こんにちは!Lilyです。
9月を迎えましたね。暦の上では秋とはいえ、まだまだ日中は暑さが残ったり、かと思えば急に激しい雨が降ったりと、天候が変わりやすい日が続いています。
しとしとと続く長雨や、すっきりとしない空模様が続くと、なんだか心まで重たくなってしまったり、理由のない憂鬱さに包まれてしまったりすることはありませんか?
でも、この雨の合間にふと差し込む陽光や、夕暮れ時に漂う涼しい風に、確かに秋の足音が聞こえてきます。
季節が静かに移り変わるように、私たちの心もまた、澄み渡る秋の空に向かって少しずつ軽やかになっていけるはずです。実りの秋、芸術の秋。
これから訪れる美しい季節に向けて、皆さまと一緒に新しい希望を感じながら、温かい時間を重ねていきたいと思っています。
さて、今月のブログのテーマは、少し意味深に聞こえるかもしれませんが、
「大事なもの」
という言葉を選びました。
日常の忙しさの中で、ふと足を止めたとき、皆さまにとって「これだけは譲れない」「これが自分を支えている」と思える大事なものは何でしょうか。
今日は、私自身がベリーダンスと共に歩んできた日々、そしてスタジオで輝く生徒さんたちを見つめながら、ずっと心の中で大切に温めてきた想いを、言葉にしてお届けしたいと思います。
他人の視線や評価にとらわれそうになるとき
ベリーダンスを始めてしばらく経つと、初心者の方も、中級者の方も、ふとした瞬間に壁にぶつかることがあります。
最初はただ「踊ることが楽しい」「音楽に合わせて身体を動かすのが心地よい」という純粋なときめきから始まったはずなのに、
いつの間にか
「もっと上手にならなきゃ」「先生や師匠に褒められたい」「周りの生徒さんや観客に認められたい」という気持ちが大きくなってしまうことがあるのです。
認めてもらいたい、褒められたいという欲求は、人間としてとても自然な感情です。
誰かに「素敵だったよ」「すごく上達したね」と言われれば誰だって嬉しいですし、それが練習の励みになることも確かにあります。
けれど、もしその動機が大きくなりすぎてしまうと、ダンスは途端に息苦しいものへと変わってしまいます。
先生の顔色を伺いながら踊るダンス。
誰かの評価を気にして、間違えないようにと縮こまりながら踊るステップ。
誰かに勝ちたい、誰かより目立ちたいという比較から生まれる焦り。
そんな風に、他人の評価や承認ばかりを追い求めてしまうと、せっかくの素晴らしい踊りが「評価されるための試験」のようになってしまいます。
自分の内側から溢れ出るはずの喜びや輝きが、他人の視線という枠の中に閉じ込められてしまうのは、とても悲しく、勿体ないことだと私は感じてしまうのです。
私がベリーダンスを続ける「大事なもの」
少し私自身の話をさせてくださいね。
私がベリーダンスに出会ったのは、20代半ばの頃でした。当時は座りっぱなしのデスクワークで代謝が下がり、汗もかけず、足のむくみや体の重だるさに悩まされる毎日でした。
ジムに通ってみたものの周りの目が気になって集中できず、半年ほどで挫折してしまった苦い経験もあります。
そんな私がベリーダンスの門を叩き、すっかりその魅力の虜になったのは、単に運動になったからだけではありませんでした。
アラビアンな音楽の波に身をゆだね、普段使わない身体のパーツを一つひとつ丁寧に動かしていく時間。鏡の前で自分自身の立ち姿や所作と向き合い、自分の中に眠っていたしなやかさや美しさに気づいていく過程。
それらは、日常のストレスや役割から解放され、ありのままの自分を取り戻すための、かけがえのない癒やしの時間だったのです。
私にとってベリーダンスを続ける「大事なもの」とは、誰かに誇るための実績や完璧な技術ではありません。
踊っている瞬間、音楽とひとつになって心が自由になれること。
自分の身体を慈しみ、自分自身を好きでいられること。
そして何より、レッスンやステージを通じて出会えた愛おしい生徒さんや仲間たちと、かけがえのない喜びを共有できることです。
私がインストラクターとしてスタジオに立ち続けるのも、皆さまに「ダンスの正解」を押し付けるためではなく、ベリーダンスという素晴らしい文化を通じて、皆さまがご自身の美しさや生き生きとした喜びに気づくお手伝いをしたいから。
私がベリーダンスに出会って、もらったものは、あまりにも大きくて、素晴らしいものだったんです。
それを、「恩送り」したい。
だから、誰かを認めるために、私はそもそもベリーダンスを教えたかったのではなくて
その方がベリーダンスを通じて幸せになってほしいと願って、今日まで教えるという立場をいただいてきました。
ありがたいことに、沢山の方に「教えてください」といっていただけるようになったけれど、
私はこれまでも、これからも、ただそれだけの思いで、レッスンを続けられたらと思っています。
あなたにとっての「大事なもの」は、あなただけの宝物でいい
ラピスラズリには、年齢も、職業も、ライフスタイルも全く異なるたくさんの生徒さんが通ってくださっています。
運動不足を解消して健康的なくびれを手に入れたいという方。
日々の家事や仕事から離れて、非日常の優美な時間を楽しみたいという方。
華やかな衣装を着て、大人の青春としてステージで輝いてみたいという方。
基礎をじっくり深めて、自分の身体と深く対話したいという方。
その一人ひとりに、ベリーダンスを続ける理由があり、心の中に抱いている「大事なもの」があります。
そして、私はそのすべてが等しく尊く、美しいと思っています。
「あの人はあんなに上手にシミーができるのに」「あの人の方が衣装が似合っている」「先生はあの人ばかり褒めている気がする」……そんな風に、他人と自分を比べる必要はどこにもありません。
あなたのダンスは、他人のために踊るものではありません。
あなたがベリーダンスを続ける「大事なもの」は、世界にたった一つ、あなただけの宝物であって良いのです。
シミーが少し揺れたときの密やかな感動かもしれない。 レッスンの帰りに、いつもより背筋が伸びて風が心地よく感じられた瞬間かもしれない。
鏡の中に、昨日よりも少し柔らかい表情の自分を見つけた喜びかもしれない。
どんなに小さなことでも構いません。
あなたが心から「心地よい」「楽しい」「自分が愛おしい」と感じられるものこそが、あなたにとっての真の「大事なもの」なのです。
自分を肯定し、自分を好きになるためのステップ
ベリーダンスのムーブメントは、人間の本能や感情、生命の神秘に深く結びついています。
基本姿勢で骨盤をしっかりと立て、肩の力を抜いて胸を開く。その姿勢をとるだけで、私たちは自然と前を向き、深く息を吸い込むことができます。
ゆったりとした波のような手の動きや、しなやかな腰のストロークは、自分自身の身体を優しく包み込み、愛でるような動作そのものです。
私たちが自分自身を愛し、肯定するとき、脳や身体は内側から活性化し、年齢を超えた本物の美しさが溢れ出します。
「完璧に踊らなければならない」という思い込みを、一度手放してみませんか。
「誰かに認められなければ価値がない」という重荷を、そっと降ろしてみませんか。
間違えたっていいのです。動きがぎこちなくたっていいのです。
大切なのは、上手下手の判定ではなく、いまあなたが自分の身体を感じ、自分だけの音の波の中に浸っているかどうかです。
自分の不器用さも、伸びしろも含めて、「これが今の私。一生懸命踊っていて、愛おしいな」と思えたとき、あなたのダンスには、誰の真似でもない、あなただけの温かい光が宿ります。その光こそが、見る人の心を本当の意味で揺さぶるのです。
秋の深まりとともに、ご自身の輝きを育んで
長雨が上がり、澄み切った秋空が広がるように、皆さまの心の中にも、爽やかで優しい風が吹き抜けますように。
ラピスラズリというスクールが、皆さまにとって「誰かと競い合う場所」ではなく、「自分自身を肯定し、心から好きになれる場所」であり続けられるよう、私も温かい眼差しで皆さまに寄り添い続けていきます。
心からの愛と感謝を込めて。
Lily



