ステージの魔物
こんにちは!Lilyです。
梅雨前だというのに、まるでもう夏が訪れたかのような晴天続きの6月中頃。。。みなさまいかがお過ごしでしょうか?
とはいえ、毎年梅雨が明けて本格的な夏が来ると、「まだ6月なんてマシだったな〜」と毎年思うことも、もはや恒例になってきています😂
まだまだ湿気が少なくて爽やかなこの梅雨前の時期は、何をするにも気持ちがよくて、大好きな季節です。
今のうちに、やらなければならないこと・やりたかったことを始めておきたいものですね。
さて、今日は、「ステージの魔物」というテーマでお話をしたいと思います。
ダンスを習って、人前で披露するというタイミングが来た時、一度は悩むであろう、この魔物。
初めて舞台に立った時から、何度も表れては、私たちを困らせる厄介なやつ。
具体的には、
「振り付けが飛んで頭が真っ白になった」「振り付けを間違えた」「前後、左右がわからなくなった」などが多いです。
そして、共通しているのは
「練習ではちゃんと出来てたところ」が多く、なぜこうなったのか理解できない、ということ。
こういった後悔を、ステージ出演後にしてしまうことを「ステージには魔物が住んでいる」と表現することがあります。
ステージの上は、いつもの練習場所と違う景色、違う環境が広がっています。
鏡がないから、確かめようがないし、一緒に踊る仲間がどこにいるのかわからないし
さらには、ステージの広さが練習場所とまるで違っていた、、、なんてこともよくあります。
それらをある程度想定したはずなのに、不思議なことに、間違えたことがないところで間違えたり、振り付けがぶっ飛んだことのないところでぶっ飛んだり。
この魔物は、どうやったら居なくなってくれるのでしょうね。
たくさん練習したら。たくさんステージに立って、経験値を積んだら。
完璧なステージ出演できる日が来るのでしょうか。
ここで、残念なお知らせがあります。
実は、この魔物、居なくなる日が来ないんです。
本番の機会の数だけ、経験することになります。
私は10年以上、プロダンサーとしてお仕事をしてきて、とてもたくさんのステージに立たせてもらっていますが、いまだにこの魔物と対峙しています。
こんなことを聞くと、絶望的な気持ちになるでしょう。
でも、ちゃんと希望もあります。
それは、この魔物は、ステージに立つたびに、違う景色を見せてくれるということ。
そして、だんだん存在感を小さくしていくということ。
起きたことのないトラブルを経験させてもらえたからこそ、次に備えることができたこともありますし
あるあるや起きがちなトラブルを、次の世代に伝えて回避してもらえるようなこともたくさん出来ました。
一度たりとも、同じ現場はないからこそ、その都度新しい失敗が起きて、それでも
涼しい顔をして、練習できちんと自分がやれることを発揮できる日も、ちゃんと来ました。
魔物が消える日は、これからも来ないかもしれませんが、それでも
練習で間違えるところは、やっぱり間違えるし、練習で50%くらいの成功率だったところは、本番では成功率10%以下になる。
だから練習は、いろんなステージ形状を想定して、起きるかもしれないトラブルを想定して、それでも狼狽えてしまったら、もうしょうがない!
それくらいの気持ちで何年も付き合っていく魔物。
今では、多少付き合い方が上手になりました。
最初は、本当に恨んでしまいそうになる魔物は、居なくならなくても、あなただけの可愛いモンスターになる日が来るのかもしれません。
「正しく正確に踊ること、間違えないことばかりが、価値じゃない」
私はいつも生徒さんにお伝えしています。
このモンスターは、それをいつも私に教えてくれる存在でもあります。
うまく利用して、付き合っていくと、あなたのダンスは何倍も魅力的になっているかもしれません。
Lilyでした!
Photo by Michie