基本姿勢は原点にして頂点
こんにちは!Lilyです。
今日は、ベリーダンスの基本姿勢について改めてお伝えしたいと思い、ブログを書かせていただきます。
ベリーダンスには、基本姿勢というものがあり、必ず最初に習うはずのもの。でも、基本姿勢が何故必要なのか、ベリーダンスを習っている方でも、あまりピンときていない方も多いと思います。
ベリーダンスの基本姿勢は、ベリーダンスに必要な基礎技術をプリセット状態にしてくれる優れものなのですが、
その前に、ダンスの基礎技術という概念からお話しますね。
ダンス基礎技術とは
皆さんは、ベリーダンスに限らず、ダンスと触れ合う時、基礎という概念があるのはご存知でしょうか?
ダンス基礎技術は、例えば、
力を入れる、抜く、リズムを取る、呼吸をする
そういった、ダンスの振り付けそのものとは違う体の反応を扱う力を身につけるために必要なことです。
多くの場合、誰でも、初めての動きや、自分にとって難しい動きを扱うという時に、力を入れ過ぎになります。
力みまくった体で振り付けをなぞろうとしても、なんだか変、どうしてかわからないけれど、滑稽に見える…そんな状況になります。
そのため、ダンスを踊る時に、息を止めているような、力をずっと体に込めているような状態を抜け出し、呼吸とともに、適切に力を入れ、抜く、を繰り返すことが出来るのが、基礎技術なのです。
また、それに必要になる筋力をアップできるトレーニングとして兼ねていることがほとんどです。
基礎をみっちり行うことは、筋力がアップし、思い通りに体を動かせる近道です。
振り付けをなぞるっているだけの人
よく、ダンスを習う=振り付けを覚えること だと思う方も多く、初心者の方なら尚更、覚えることに必死になってしまうのも、当たり前のことでしょう。
ダンスを踊れるようになりたい!と思ったきっかけが、誰しも必ずありますが、それは、「こんなふうに踊れるようになりたい」という「こんなふう」は、振り付けを覚えただけの状態では無く、その表現に魅了されたからではなかったでしょうか。
振り付けの上に、表現を乗せる。
これは、自分なりの表現を乗せる前に、
>振り付けを覚えた上で、
>>さらに、ムーブメントの正しさが必要で、
>>>さらに、力を入れたり抜いたりが適切にできて、
>>>>その上で、足がふらついたりよろけたり背中が丸まったりしない筋力が必要なわけです。
こんな、マトリョーシカ状態になっているダンス基礎技術の概念。
わかりにくいとは思いますが、土台がとても大切だということはおわかりいただけたのでは無いでしょうか。
基本姿勢は何のためにある?
では、華麗な動きを表現するためには、しっかりと基本姿勢を身につけることで、実現すると言っても過言では無いです。
基本姿勢は、ベリーダンスの土台となるものであり、体の軸を安定させ、動きに力強さと美しさを与えます。
体の軸が安定し、腰や膝を大きく動かす動きにも耐えられるようになり、可動域が大きくなります。
また、体のラインが美しく見え、踊り全体の印象が格段に向上します。
そして、もう一つ、あまり知られていない、最も大きな意味。
それは、すべてのムーブメントの根底にあり、戻ってくる場所、ということです。
例えば、アラベスクというステップ。
ステップと呼ぶにはあまりにも複雑で、身体全体を使って表現しなければいけない、とても難しく奥が深いムーブメント。
足の置き方、脚の持ち上げ方、腕の広げ方、そのあたりに意識がもっていかれがちですが、その間、お腹の位置は?骨盤の位置は?胸の位置は?重心の高さは?
身体の中心のパーツのそれぞれの位置は、どこに置くのかわかっていますか?何も意識していないのでは無いでしょうか。
それこそが、基本姿勢で習っている場所に置いておくべきなのですが、、、あまり知られていないか、できていないなと思う方が多いです。
私のベーシックレッスンでは、こういったことを徹底的にお伝えし、1時間みっちりやらされます。
手足を動かすことが、ダンスではないし、ムーブメントの完成度とイコールではありません。
身体の中心に配置しているパーツ=胸・上のお腹・下のお腹・骨盤 この辺りがどこにあるべきなのでしょうか。
答えは、皆さんはもう知っているのです。基本姿勢の位置を思い出し、必ずそこに置いてください。
一見伸びやかに見えるアラベスク。でも、
手足でどうにかこうにかとやっているだけだったり(その場合は胸が下がっていたりします)
身体が全部伸び切ってしまっていたり(その場合は骨盤が絞められておらず、内ももが開いて不安定になります)
胸もお腹も骨盤も、正しい位置に置いたまま、手足を使って表現するべきなのです。
では、ヒップアタックや、チェストサークルのような、身体の中心部位(胸・お腹・骨盤)を使う動きの場合は、どうするべきなのでしょう?
答えは簡単です。
「動かしている部位は力を抜き、動かさない部位は、基本姿勢をとったまま動かさない」です。
むしろ、こちらの方が簡単なので、早くマスターされる方の多い概念でしょう。
身体が全部動かないことも、身体全部が動いてしまうことも、同じミスなのです。
一部位だけ動かせること。
これはダンスにおける、『アイソレーション』という概念ですが、アイソレーションを理解し、表現できるようになることが必要で、それがダンス基礎技術、そして、基本姿勢を活用できる状態、と言えます。
ベリーダンスの基本姿勢のおさらい
①重心を少し前にする
重心を少し前にすることで、体が前に倒れにくくなり、安定した姿勢を保つことができます。
②膝を軽く曲げる
膝を軽く曲げることで、上下動の揺れを吸収します。伸び切った膝ではダメです。ただし、常に両方とも曲げていることもダメです。戻ってくる場所としての膝曲げととらえて下さい。
③骨盤を立てる
骨盤を立てることで、お腹やお尻の筋肉に力が入り、ふらつきやぐにゃぐにゃ感がなくなります。
④胸の位置を高くする
体の軸が安定します。その際に、背中の肩甲骨を寄せてはいけません。あくまでも腹筋で胸を持ち上げます。息を大きく吸ったその場所に置いておくイメージです。
⑤肩の力を抜く
力んだ印象になりやすい肩は必ず力を抜きましょう。
いったん持ち上げて、ドッスンと下に下ろすと正しい位置に行きます。そのまま、巻き肩にならないようしっかりキープしましょう。
基本姿勢は、一朝一夕には身につきません。どうか簡単なものと思わず、基礎練習として取り入れてください。
基本姿勢を身につけるためには、以下の練習方法があります。
- 鏡の前で基本姿勢を確認することで、自分の姿勢を客観的に判断することができます。
- 壁に背をつけて立つことで、背筋が伸びているかどうかを確認することができます。
- ピラティスで、体幹を鍛えるのもとても良いです。
- 講師から基本姿勢を指導してもらうことで正しい場所を知ることができます。
基礎は誰にでも平等にできる努力
日々の練習を積み重ねることで、確実にレベルアップできるチートスキル。それがダンス基礎を磨くことです。
半年、一年と、シンプルに続けるだけで、自動的に素敵に踊れるようになるのです。
基礎を磨くことは、貯金をするようなものです。
ダンスの才能があるとか無いとかも関係なく誰にでもできる平等な機会。
やればやるほど貯金のように成果が現れます。
愚直でつまらないかもしれませんが、基礎をひたすら続けた人たちはみんな、3年で形になっていくし、できることが一気に増えるといった傾向があります。
まさに貯金と似ています。
そして、もう一つとても大切なこと。
それは、「基礎力向上の努力には、終わりがない」ということ。
「もう基礎はいいや。踊れるようになったから基礎は必要ない。私はもうできるのだから。」
もしこんな思いを持っておられるのなら、ごめんなさい、もう伸び代がないと言わざるを得ません。
小手先のテクニックなどでは表現できないものがあります。それが人を魅了し感動させるのです。
基礎力向上しか、上達する術はないのです。
それは初心者だろうと、プロダンサーだろうと、何も変わりません。
プロダンサーなら尚更、どれだけの時間を基礎力向上に投じたかだけです。
私は、「成長し続けるプロダンサー」でありたいので、
誰よりも基礎技術向上トレーニングに向き合い続け、週2回はみっちり向き合うことを、10年以上続けています。
変態ですね(笑)
好きだから、憧れるから、ただ続けていられるだけの、偉そうに語ることではないと思いますが、
私は確実に、基礎を10年以上続けてきて、これからも続けるから、上手くなったしこれからも上達すると思うのです。
ぜひ、皆さんも、やるだけで上手くなる基礎練習、取り入れてみてください。
習慣としてないのなら、ベーシックレッスンを受け続けることをお勧めします。
Lilyでした!