ダンスを輝かせる「表現力」を磨く基礎知識 vol.1(考え方、衣装、構成)
こんにちは。Lilyです。
年明けであっというまに2月、またまた世間では感染騒ぎで、みなさまお疲れ様なことと思いますが・・・
そんなみなさんにも、少しでも明るく前向きになっていただく話題をと思いまして、
今日は、あなたのダンスをより輝かせる「表現力」についてのお話をしようと思います。
ダンスが好きなみなさん、楽しく踊っていますか?
踊るって、それだけで本当に楽しいですよね〜♪
好きな音楽に乗って、身体が勝手に動いてしまう私のような「真正」のダンスバカ(=いわゆるパリピ?)の方は、おそらく少数派なので(笑)
あまり共感できないかもしれませんが、、、それでも、踊るってとても楽しいことです。
自分が踊ることが楽しいのが、どんなスキルよりも、魅力的なダンスにとって大事なこと。
ダンスが楽しくて、もっともっと上手くなりたくて、憧れのダンサーさんみたいに
かっこいいワザを決めたい!って、多くの方が思っていると思います。
そんなダンスが上手くなりたいみなさんに、表現のチカラを少しお伝えできればと思います。
曲を表現するとは
ダンスにもいくつかの種類がありますが、私達が愛するオリエンタルダンス(=ベリーダンス)は
「曲ありき」のダンスで、曲の種類で踊り方や表現すべきものが変わります。
ストリートダンスは、曲調によって細分化された名前が、スタイルそのものを指すことが多いです。(ロッキン・ハウス・ヒップホップ などなど)
ベリーダンスも、そのような構造をしています。(ドラムソロ、オリエンタル、シャービー、バラディ などなど)
そのため、曲調が違うなら、やはり違った表現をしないと「それらしい」ダンスには見えず、違和感が生まれます。
曲を表す「着るべき衣装」を知る
何を変えるべきかは、まずは衣装。その曲調にふさわしい衣装が求められます。
例えば、ドラムソロでは、比較的タイトめなシルエットのスカートにスリットがあり、「揺れもの」(いわゆるフリンジ的なもの)が多くついたものの方が、踊りが映えます。
一方、ベールを使ったエントランスが華やかなオリエンタルでは、ふんわりとしたスカートで大きくフロアを使い、「揺れもの」はベールにひっかかりやすくなるため多くないほうがよい、など。
上記は、わかりやすい例ですが、厳密には決まりはなく、それぞれの踊り手のフィーリングや判断に委ねられたもので、空気のように漂っているものです。
また、衣装が多くデザインされ作られた国や地域ごとでも、相当な違いがあり
曲調が土着のものなほど、他文化での衣装が違和感のもとになることがあるものです。
エジプトとトルコでも、衣装のデザインはとても異なり、それぞれ特徴的ですし、
オリエンタルダンスの伝統と歴史が長い国ほど、その印象が強く残っています。
我々日本人の感覚に例えるならば、
日本の盆踊り大会に、浴衣ではなくチマチョゴリ(韓国の伝統衣装)で参加している方が居たとして、
そして、そこでかかっている盆踊りの曲は、ダンシング・ヒーローだったとします。
それを、「伝統的な盆踊りだと思っている」と聞いたら、日本人なら驚くでしょう。
そんな感じです。
浴衣とチマチョゴリのバックグラウンドの違いが、私達にはわかりますが、一般的にエジプトやトルコの方にはわからないかもしれない。
それと同じように、私達も遠い異国の文化を必死に習って、できるだけ正しくあろうとするのは、敬意として大切なことだと思っています。
一方、そのため、ロシアや南米など、比較的新しい時代に伝わったであろう地域のデザイン衣装は、
そのような違和感を持たれにくいとも思います。
衣装デザインの産地だけでなく、当たり前のように、曲調は国や地域にもやはり密接に関わっているのです。
曲調と衣装は、密接に関わっていることは、あまりきちんと習ったりはしないかもしれませんし、
デザインの違う多くの衣装を買い揃えることは、なかなか厳しい方も多いと思いますので
なるべく、ベリーダンス全般に使えっても違和感のない、汎用性の高いデザインの衣装が、
量産品の低価格帯衣装に採用されています。
例えば、
ブラはホルターネックで、付けやすさ重視&対応サイズの幅広さ重視でストラップはゴム。シンプルな形に少々装飾があるもの。
スカートはセミフレアラインかマーメイドライン、もしくはそれらの中間のような形で、スリットは控えめに入っており、素材はシフォン・サテン・ストレッチ生地あたり。
ベルトとスカートが一体になっていて「揺れもの」が少しついているか、無し。
が多い印象でしょうか。
決してイケナイわけではなく、群舞で踊る際に「浮かない」よう、装飾が控えめなもののほうが、より汎用的なため、このようなシンプルめなデザインが重用されたのでしょう。
なので、1着だけ買うのなら、上記のようなものを買えば、どんな曲でもそこそこ相性よく、使い勝手のよい衣装になるので、おすすめです。
でも、「曲を正しく表現する」という概念の中で「最適か」というと、違う という場合も多くあるでしょう。
例えるなら、結婚式で、「おそらくどんなときでも着られる無難なワンピース」を着た花嫁さんが登場するようなもの。
本来ならば、衣装は曲を表現するのに欠かせません。
ダンサーとしての魅力、そして、ダンスそのものの良さを数倍にも引き上げてくれるものです。
曲を表す構成
「ムーブメント」そして「コンビネーション」を知る
衣装のほかには、
音の取り方で作られるコンビネーションの構成なども、曲によって変わります。
また、これも踊り手の考え方によるものなので、オリジナリティとクリエイティビティ溢れる世界では、「決まり」が存在すること自体、ナンセンスなものかもしれません。
それでも、古典的な民族舞踊としての歴史があり、口伝や身体表現で伝えられてきた、伝統的な考え方があり、やはり空気のように漂っています。
それらをもってして、「オリエンタルダンス」というジャンルとして確立させているのです。
衣装の例のときにも出した、ドラムソロとエントランスベールオリエンタルでの違いを例にとると・・・
ドラムソロでは、強く明確なD(ダラブッカの、ドン という音)には、ヒップ周りのアタックで取る、そして、ロールではシミー といった具合に、クリアな打音にふさわしいものを選び、編み上げていきます。
一方、華やかなオリエンタルなら、伸びやかな音では伸びやかなアラベスクステップで移動。重たくゆったりした音は、重心をさげてどっしりと。連続したアコーディオンの調べには、つながりを重視したムーブメント構成に…といったように。
「この音はこう取るのが気持ちいい」、というような、セオリーが存在し、その連続で曲の印象・コンビネーションが作られていきます。
とても抽象的に聞こえるかもしれませんが、これがまず基本的な考え方として知っておいて損はないと思います。
ベリーダンサー・そして、振り付けをする立場になる方は、当然知っていますし、
さらにダンサー独自のスパイスがかかって、オリジナリティ溢れる、魅力的な振り付けを作ったり、即興で踊ったりをしているのです。
いかがでしたでしょうか?
ダンスにおいての表現力って、とっても奥が深く、でも、必須な知識ですよね。
表現力というと、なんとなく「己のチカラ(顔?)」という意識も強いかと思いますが、
まずは「知識レベル」で持っておくことが必要です。
頭で理解して、表現する方法を知っていて、実践することが出来る人になれたら。
その先に、己のチカラが上乗せされたとき、魅力的なダンスにまた一歩ずつ近づいていけるはず。
ベリーダンスには、たくさんの魅力があります。
女性らしく、しなやかな美しさを保てること。そして、そんな自分自身を肯定できること。
そこから、憧れの女性に近づいていく過程に、「ダンスが上手になる」があるのだとしたら。
人を魅了できる、ダンスを踊れるようになりたいなら。
何でもいいから、どんな曲でもいいから、ベリーダンス踊りたい!よりは、
この曲好き!素敵!楽しい! のほうが、何倍も魅力的なダンスになるはず。
そのために、これからぜひ、もっと「曲と仲良し」になってみてほしいです。
また、気が向いたらこの続編を書こうかなと思っています。
次回は、曲ごとの表現をもっと詳しく触れたいなと思います。
曲それぞれの魅力を、もっともっと味わってほしいから。
以上、Lilyでした!
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